インド(デリー・ジャイプル・アグラ・バナーラス)ネパール旅行記

(H19.3.6〜3.23)

タージ・マハル 飛行機から見る世界最高峰エベレスト山

今回ほど事前勉強をすればするほど不安がつのる旅は今まで無かった。それほどインドは私にとって未知の国でした。ムガル帝国時代に作られたタージ・マハルを代表とする世界遺産。ヒンドゥー教では牛が最優先で街の中を自由に歩きまわる。IT産業の振興の中、カースト制度の負の遺産を引きずっているのか、かなりの人が貧困に甘んじているように見える。義務教育は無いため多くの子供達は学校にも行かず農業など家の手伝いをしているそうだ。格差は広がっており、中国を抜くかという10億を超える人口を抱えるインド、多くの可能性を秘めているがこれからの課題も多い。我々にとって毎日がカルチャーショックの連続でした。

ネパールでは世界中のクライマー達が挑戦したヒマラヤ、特に世界最高峰の
エベレストを是非見たかったが、好天に恵まれて機上からその雄姿を見たときには思わず涙が出るほど感動した。今回ほど困難な旅は初めてでしたが最後にカトマンズで最大のピンチが訪れようとは想像だにしていませんでした。

・3月6日(火) 福岡からバンコク経由でインド・デリーへ。さっそくやられた!

航空券は全日空のマイレージでゲット、12:00福岡空港国際線からタイ航空でバンコクへ。15:50バンコク新国際空港へ到着。オープンしたばかりの立派な空港だが滑走路にひび割れなどが発生したため今後は旧空港も併用するらしい。19:50発タイ航空でインドの首都デリーへ。インド、アラブなど国際色豊かな服が目立つ。ターバンを巻いた人も。日本人も数人見かけるがほとんどがインド人のようだ。

22:45無事デリー空港へ到着。日本との時差は3時間30分の遅れ。ガイドブックによると空港で乗ったプリペイドタクシーが旅行会社やホテルなどと結託して旅行客を勝手に連れまわし、法外なツアーを組ませるなどの事件が多発しているらしい。そのため今回は現地の旅行会社にピックアップとホテルを予約しておいた。

入国を済ませて出口に行くと大勢の迎えが待ち受けている。やっと自分の名前を発見して一安心する。今回の宿は有名な
メインバザールにある。車はかなり飛ばしてホテルへ着く。

するとどうも様子がおかしい。今日は満室なので他のゲストハウスに連れて行くと言っている。かなり早く予約しているのに何と言うことだ。車は廃墟のような街を走り暗い建物の前で下ろされる。
ここはほんとにホテルなの?騙されたんではないかと急激に心配になる。部屋に通されるが、一様ホテルのようだ。夜も更けており仕方ないのでそこで休むことに。これでは先が思いやられるな。

・3月7日(水) デリー市内観光

朝から外がかなり賑やかだ。ひとまず本来の宿
Cotage Yes Pleaseへ行ってみることに。外に出てみて一瞬ギョッとする。初めて見るインドの街。牛が何頭も道路の真ん中を歩いている。それを避ける様に人やリクシャー(日本の人力車がもとで自転車で引く乗物)、オートリクシャー(三輪車タイプの車でこれが日本のタクシー代わり))、車が走っている。

食べ物屋さんなどの店が並んでいるが、ゴミや牛の糞が散らかり正直言って町は汚い。野良犬も多く狂犬病も心配だが現地の人はあまり気にしていないようだ。また犬も疲れ気味。

メインバザールは牛が優先 メインバザールの雑踏

ホテルのロビーにあるShigeta Travelで代表のラジェンダさんと会う。昨日泊まれなかったことを言うと「何で私のお客を・・・・」とホテルの担当者を怒っていたが、今更もう遅いよ。

今日のデリーのツアーと明後日からのジャイプル、アグラ、バナーラスのツアーを組んでもらう。いつものように自分達だけでまわりたいがインドではどうやら最初からは無理のようだ。

ツアー代金を支払うためにATMへ。戸惑っているとスイスから来ている女性が教えてくれて無事に下ろすことができた。インドのお金1Rsルピーは約2.9円だ。ちなみにホテル代金はツインルームで600Rs日本円で約1800円でかなり安い。

メインバザールの食べ物屋 ホテル前で

運転手のナリッシュさんの車で市内ツアーへ出発。最初にラクシュミー・ナーラーヤン寺院へ。1932年にインドの大財閥ビルラー家が建立したヒンドゥー教寺院で比較的に新しく色鮮やかだ。中にはヴィシュヌ神などの他ブッダも祀られていた。

デリーはニューデリーとオールドデリー地区に分かれており。ニューデリー地区はイギリス植民地時代に造られ、区画整理され道幅も広く緑の多い町並みが続く。国会議事堂や
大統領官邸などの行政機関もここにある

ラクッシュミー・ナーラーヤン寺院 モスクのような大統領官邸

車を降りてインド門へ。パリの凱旋門に似たこの門は高さ42mで第1次世界大戦で戦死したインド兵士の慰霊碑だ。独立を条件に参戦したが実現しなかった。

次にムガル朝第2代皇帝の墓
フマユーン廟へ。1565年に建立され、中央にドームをいただいた左右対称(シンメトリー)の建物はインド・イスラーム建築の傑作と言われ、後に建設されるアグラのタージ・マハルに大きな影響を与えている。赤砂岩に白大理石をはめ込んだ美しい建物で世界遺産にも指定されている。

インド門 フマユーン廟

巨大な蓮の花をかたどったバハーイー寺院へ。バハーイー教は宗教と科学の調和を説くイスラーム系の新宗教で白大理石の一風変わった寺院と美しい庭園には多くの人が訪れていた。

ニューデリーの郊外にある
クトゥブ・ミーナールへ。高さ72mの塔を中心にモスクなどの建造物があり、世界遺産に指定されている。奴隷王朝時代にヒンドゥー教徒に対する勝利を記念して建てられ、表面にはコーランの文句を図案化した彫刻が刻まれている。

バハーイー寺院 クトゥブ・ミーナール

インド最初の昼食はガイドの案内でインドレストランへ。どうやらツアーで連れて行きたいコースになっているようだ。メニューが良く分からないのでガイドに一任する。チキンカレーなど数種類の料理を頼む。日本のカレーとは味が違うがそれほど抵抗は無かった。

車がオールドデリーに入ると状況は一変、道路は狭くなりリクシャー、オートリクシャー、車、バスが我先に空いているところへ割り込み、車線や信号も無くまるで交通無法地帯。警笛が鳴り響きとても騒々しい。これで事故が起こらない訳がない。

やっと高台にあるインド最大のイスラム教モスク
ジャーマー・マスジットへ到着。2万5000人収容の中庭があり、毎週金曜日には集団礼拝が行われる。1857年の大反乱でイギリスと戦い多くの人がここで亡くなっている。カメラ持ち込み料200Rsを入場料と間違い二重取りされてしまい少々気分が悪かった。

インド料理店 ジャーマー・マスジット

今日の昼食は思わぬ贅沢をしたので夕食は持参の炊飯器で持参の米を炊いて自炊する。

・3月8日(木) 市内フリー観光

今日は地下鉄でオールドデリーへ行ってみることにする。幸いホテルの近くに駅があった。日本の援助で建設が進められており構内は静かできれいだ。ホームで迷っていると親切に教えてくれ、方向が同じお客さんは我々が目指すチャンドニー・チョーク駅まで連れて行ってくれた。通勤の忙しい時間に有難うございました。

駅から外に出ると昔の都大路
チャンドニー・チョークにはリクシャーや車、牛車などがあふれ、道路脇には多くの人がたむろしている。その時代をはるかさかのぼったような生活風景には一瞬圧倒され写真を取る事もできなかった。リクシャーの誘いを断りながら歩いてムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが築いた城ラール・キラーへ。

アグラからデリーへ遷都された時に築かれた。兵隊が銃で厳重に警戒する
ラーホール門から城の中へ入る。お土産屋が並ぶアーケード抜けて先に進むと先ず一般謁見の間、中央に王座があり毎日皇帝が民衆の陳情を受けていたところ。

ここで民族服のサリーを着たインドの女性と記念写真を一枚。更に進むと河沿いに貴賓謁見の間や皇帝の私室などの建物が続く。かってはルビーやサファイヤなどの宝石がはめ込まれた豪華な建物だったそうだ。

一般謁見の間と王座 貴賓謁見の間

その後イギリスとの戦争で破壊略奪され一部分が残っているだけだ。

インド独立の父
マハートマー・ガーンディーが1948年に凶弾に倒れヒンドゥーの作法で火葬された場所ラージ・ガートへ。歩いては遠いのでリクシャーで行くことにする。多くのリクキシャーが声をかけてくるが50Rsで青年のリキシャに乗る。約20分で到着するがそれまで明るく話しかけていた青年が突然豹変し200Rsだとしつこく言い出す。無視して50Rsを渡してその場を去るが特に追っては来なかった。

ラージ・ガートは公園が整備され多くの人がお参りに訪れている。すぐ近くに
ガーンディー記念博物館があり彼に関する資料や遺品などが展示されており、特に彼が最後に着ていた血染めの白衣は生々しかった。

ラージ・ガート マハートマー・ガーンディー

随分地下鉄の駅からは離れてしまった。バスやオートリクシャーは不安なので地図を片手に歩いてニューデリー駅方面へ向かう。途中道路脇には屋台が並び多くの人が食事を取っている。路上の床屋さん、公衆トイレは道路にオープン、驚くことばかりだ。リクシャーに何回も声をかけられながら歩きやっとニューデリーの駅にたどり着く。地下鉄でコンノート・プレイスへ。ここは新しいショッピング街でモダンな店が沢山並んでいる。今日でデリーとはお別れでいよいよ明日から各地をまわる。

・3月9日(金) デリーからジャイプルへ

7時過ぎ運転手のマイクさんの車でデリーから南西266Kmにあるラージャスターン州の州都ジャイプルへ向かう。隣のラージャスターン州に入ると工業団地が広がり新しい住宅も建てられている。ちょうど通勤時間帯で渋滞している。オートリクシャー(小型三輪車)には一体何人乗っているのか運転席に5人真ん中に4人後部に4人・・・まるで人間詰ゲームだ。

途中の町並み 一体何人乗ってるの

途中大型トラックの転倒事故で大渋滞に巻き込まれる。車は反対車線や路肩まで溢れとにかく空いているところを前に進もうとして収拾がつかない。警察はどうしているの?

2時間以上も遅れて
ジャイプルへ到着。さっそくアンベール城に行くが名物の象タクシーが終了しており、あらためて明日行くことにする。

ホテルへチェックインし部屋に入ると蚊が多い。昼寝をしていたら2人とも蚊にさされてしまった。フロントに言うとベープマットを持ってきてくれたが、これが後で心配の種になるとは・・・。

夕食はインドの民族舞踊が見られるレストランへ。途中白亜のヒンドゥー教寺院
ビルラー寺院に寄る。
レストランは開店前だったのでビールを飲みながらしばらく待つ。踊りが始まると最前列の私は無理やり前へ引き出され一緒に踊ることに。

ビルラー寺院 民族舞踊