・3月10日(土) アンベール城とジャイプル観光

朝から雷雨であったがホテルを出る時にはもうあがっていた。車は自転車やリクシャーなどが行きかう雑踏の中を警笛を鳴らしながら郊外の
アンベール城へ。すでに沢山のツアー客が名物の象タクシーに並んでいた。その列に民芸品や帽子などを売るお土産屋の攻勢がすさまじい。ベルギーからのおばさんたちはとうとう買わされてしまった。

二人乗りの象の背中は結構揺れたが丘の上のお城まで連れて行ってくれるので楽だし眺めも最高だ。象さんへチップを払って降りるが払わないと降ろしてもらえないかも?

16世紀アンベール王国時代に造られたこのお城、中には謁見の間や鏡の間など繊細で美しい装飾が施された部屋や幾何学模様の庭園、ハーレムもあり、マハーラージャが贅を極めた当時の様子がうかがえる。

象タクシーで丘の上のお城へ アンベール城ガネーシャ門

ジャイプルの旧市街は7つの門を持つ城壁に囲まれその中はよく区画整理がなされている。町並みがピンク色に統一されているのでピンクシティとも呼ばれている。プリンティングの店に連れて行かれたが早々に切り上げる。バザールの大通りに面して彫刻を施したテラスが並ぶまるで蜂の巣のような風の宮殿は、かって宮廷の女性達がここから街を見下ろした所だ。

風の宮殿 旧市街ロータリー風景

中央博物館を見学してホテルへ。後は自由時間だ。しばらく休憩して旧市街へ行ってみることに。リクシャーと交渉し20Rsで行ってくれる。人のよさそうなおじさんでお客がとれて喜んでいた。

旧市街の城門 商店街

城門をくぐり旧市街に入るとバザールが続きインドサリーなどを売る店などが並んでいる。日本人と見ると盛んに店に誘う。値段はあってないような物こちらも要領を覚え結構大幅な値引きで買うことができた。でもそれは日本の物価の感覚だろうな。

帰りもリクシャーを利用、20Rsで約く1Kmの道を機嫌よく走ってくれた。

インドでは車が交差点に止まると小さな子供達が新聞や花などを売りに来る。また小さな赤ちゃんを抱いた母親がバクシーンをもらいに来る。かわいそうだとは思うけどいちいち対応はできないな。

・3月11日(日) ジャイプルからアグラへ

今日はタージ・マハルで有名なアグラへ移動する。日曜日のためか少し車も少ないようだ。1車線の道路が続くが舗装が老朽化しておりガタガタだ。その中をかなりのスピードで前の車を追い越しながら走る。恐い。

小麦やマスタードなどの畑が続く。働いているのは女性が目立つ。義務教育は無いので子供達は学校にも行かず農業を手伝っている。彼らは働き頭なのだ。通り過ぎる村々はいかにも貧しい農村地帯だ。

話は変わるがインドの算数はすごいねと運転手に聞くと2歳から勉強しているとのこと。

約6時間のドライブでアグラ郊外にある城跡
ファテープル・スィークリーへ着く。16世紀一時的に都がここに移転されたがその遺跡が残っている。

宮殿跡 巨大なモスク

アグラのホテル近くにインドでは珍しいショッピングセンターを見つける。インドでは日本で言うコンビニやスーパーなどは目に付かない。やっとショッピングセンターが進出し始めたそうだ。チェックイン後行って見るとオープンしたばかりの日曜日で多くのお客で賑わっていた。生まれて初めて乗るエスカレータにはほとんどの人が恐る恐る・・・手をとって乗せてやる。日本にもそういう時代もあったのだ。

収穫されたマスタード 初めてのエスカレーター

・3月12日(月) タージ・マハルと夜行寝台列車でバナーラスへ

昨夜から朝にかけて激しい雷雨が続いている。今日は今回のメインであるタージ・マハルなのに。
10時ホテルを出発。雨はやんではいるがまだ暗い。西門から入り料金所がある中央門まで歩くがリクシャーやガイドの売込みが激しい。ガイドブックがあるといってもなかなかしつこい。

中に入ったころから晴れ間が見えて素晴らしい天気になる。中央門をくぐるとあの世界遺産に指定された
タージ・マハルが目に入ってくる。ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが愛する王妃の死を悲しんで造った世界一美しいお墓で宮殿ではない。世界中から石と職人が集められ22年の歳月と膨大な費用をかけて1653年に完成した。本当に美しい建物だ。

左右対称の美しさ 白亜のタージ・マハル

次にムガル帝国のアクバル帝が1565年に築いたアグラ城へ。赤砂岩の城壁の門をくぐり中に入ると広大な敷地の中に美しい宮殿や庭園が広がっている。遠くにはタージ・マハルがよく見えており、後に幽閉されたシャー・ジャハーンは寂しくここからタージ・マハルを眺めることになる。

アグラ城の門 宮殿と美しい庭園

昼食は駐車場のレストランでフライライスとチキンカレー美味しかった。例によって大理石細工の工房とカシミヤのお店に連れて行かれた後、列車の時刻までホテルのロビーで休憩することに。

バナーラス行きの
寝台列車はデリー発で夜8時25分にアグラ近郊の駅タンドルTundulを通る。6時頃に駅へ到着するが車が途中から進入できず運転手のマイクさんはポーターに心配げな我々を託してデリーへの帰途につく。

ポーターの案内で待合室へ。待合室は狭く周囲に木の長椅子が置かれただけ、数人の日本人も待っていたので少しは安心する。でもインドの列車は日本のように各車両を結ぶ通路が無いので短い停車時間に自分の車両に乗ることが出来るだろうか。しかもチケットにはデリー発をここに変更したため座席番号が記入されていない。もうポーターを頼るしかない。

話によるとどうやらデリー方面も大雨で列車が遅れており到着は22:00頃の予定だそうだ。まだ大分時間がある。だんだん寒くなってきた。頻繁に停電があり構内が暗くなる。突然天井からすごい音が、外を見るとまるでビー玉のような大粒の氷が降っている。無事に列車は来るんだろうか心配になる。神様、仏様、ポーター様。

とうとう時間は12時を過ぎてしまった。もう6時間もここにいるのだ。12時30分列車がやっと到着。ポーターのお陰で無事に個室寝台車に乗ることが出来た。仕事とはいえここまで待ってくれたポーターさんにチップを弾む。二段ベッドが2つある4人個室寝台には上段に1人お客さんが乗っていた。ほっとして眠りにつく。