モロッコ・スペイン・ポルトガル・フランス・モナコ・UAEの旅

(H21.3.18.〜4.16)

世界遺産モンサンミッシェル ニース近郊の鷹ノ巣村エズから見る美しい海岸線

北アフリカの日没する国
モロッコの古都マラケシュフェズの旧市街(メディナ)を探訪しました。特に世界一の迷宮都市フェズは細い路地が迷路のように入組んでガイドなしではとても歩くことは出来ません。この狭い中に殆どの町の機能が収まっているそうで、テレビでは見ていましたが驚きました。

リスボン行きの航空券が現地でもかなり高かったので船で地中海のジブラルタル海峡を渡るルートに変更し、モロッコの海の玄関口
タンジェからスペインのアルヘラシスまで高速フェリーで横断しました。

スペインのセビーリャ経由でポルトガルの首都
リスボンへ行き、ここからポルトガル発祥の地ポルトやユーラシア大陸最西端のロカ岬などを訪問しました。日本までやって来た大航海時代当時の歴史と建物が多く残るとてもロマンチックな国でした。

フランスのパリからは日帰りで世界遺産
モンサンミッシェルジャンヌダルクが処刑された町ルーアンそしてシヴェルニーにある画家モネの家を観光しました。

パリ最終日は月の第一日曜日で美術館が全て無料となるため
ルーブル美術館オルセー美術館などを精力的に見てまわりました。二度目の対面のモナリザは前回よりも少し離れて見ましたが私に微笑んでいるようでした。

フランスが誇る新幹線TGVで南仏
プロバンスアヴィニヨンアルルへ。保存状態のよい古代劇場や闘技場などローマ時代の遺跡や画家ゴッホが描いた世界も見ることが出来ました。

そして
コートダジュールニースからは世界映画祭が開かれるカンヌ、F1レースなどで有名なモナコ公国を観光しました。知らないとはいえちょうど復活祭の連休が続きホテル探しには苦労しました。

帰路
ドバイで途中降機しましたがその都市建設の規模の大きさにはとても驚かされました。また砂漠を四輪駆動で絶叫マシーンのように走るデザート・サファリはとても楽しかったですが少々恐くもありました。

約一ヶ月と長い旅で少し疲れも出ましたが変化に飛んだ地域を見ることが出来て満足する旅でした。

パリの地下鉄では若い女性の
スリ集団に襲われたり、ニース行きの列車の中でボストンバグを盗まれるなど恐い経験もしました。

フランスレールパスを使いましたがパス対応のTGVチケット枚数に制限があるようで乗りたい列車が満員だったり、乗れないなどの問題がありました。もしTGVに乗れていればバッグも無事だったでしょうが。

今回も多くの人に出会い、いろいろお世話になりました。中でも以前ロシアツアーでお世話いただいた
JTBの添乗員Mさんからニース近くの鷹ノ巣村エズで声をかけて頂いたのには驚きましたが嬉しい出会いでした。後日メールを頂きましたが、旅行記を時々見て頂いており初対面の相方に気付かれたそうです。

・3月18〜19日(水・木) 福岡から関空・ドバイ経由でカサブランカへ

今回は人気の航空会社エミレーツ航空を利用することをベースにルートを考えました。福岡空港から久しぶりの関西空港へ。23:15定刻にドバイに向けて出発。シリア、ヨルダンなど中東へ行く日本人のツアーグループが目立っていました。

さすが評判のとおり各座席には大型のディスプレイがついており映画やスポーツ番組をオンデマンドで楽しむことが出来き、アルコール類も無料で夕食も美味しかった。

中国、インド北部、パキスタン上空を飛行し翌朝6時
ドバイ空港へ到着。かなり大きな空港だ。乗り換えて7:50モロッコのカサブランカへ向かう。あれほどいた日本人が3人になってしまった。現地時間の午後1時ようやくカサブランカ空港へ到着。日本との時差は9時間あり佐世保を発ってからなんと約32時間の長旅でした。ヨーロッパの航空機を使えばもっと早く行くことが出来ます。

空港でモロッコの通貨
ディラハムDHへ両替する。1DHが約12円で物価は安い。列車でカサブランカのカサ・ヴォワジャー駅へ行き駅前の安宿にチェックインする。

カサブランカ空港に到着したエミレーツ機 カサ・ヴォワージャー駅とプチタクシー

リスボン行きの航空券を手配するため市内にある旅行代理店へタクシーで行くが早速失敗をしてしまう。英語の発音で15を聞き違え50DHも渡してしまう。お金の価値が分らない時に運転手もお釣りをくれる様子を示さなかった。プチタクシーにはメーターがついているが観光客には使わないそうだ。

経営者の西川さんが対応してくれるも航空券は1人約3万円もする。このため第二案として考えていた船で地中海を渡るルートに変更する。

経済の中心地カサブランカ、
映画カサブランカのイメージで訪れた町は車や人が溢れ騒々しい町であまりゆっくりする所では無いなと思いました。明日のマラケシュ行きの鉄道の切符を購入し早めに休む。

・3月20日(金) カサブランカからマラケシュへ

8:50発の
マラケシュ行きの列車に乗る。1等のコンパートメントは一部屋6人でゆったりと座ることが出来る。モロッコといえば砂漠のイメージがあるが地中海側の平地は意外と畑など緑が多い。草原の緩やかな坂を登って行くと突然町が現れる。12:00ほぼ定刻にマラケシュ駅に到着、列車は正確に走っているようだ。

駅舎はイスラム風の建物でまだ新しい。構内ではマクドナルドの店が賑わっておりここで昼食をとる。タクシーで地球の歩き方に載っているホテルへ。部屋を見せてもらいここにチェックインする。

1等のコンパートメント 新しいマラケシュ駅

しばらく休憩してマラケシュ観光の中心地で世界遺産にも指定されている旧市街(メディナ)のジャマ・エル・フナ広場へ行くこととする。メーン通りのモハメッド5世通りを歩く。マラケシュはフェズに次いでモロッコで二番目に古い都で町はカサブランカに比べてとても綺麗に整備されている。

右手に大きな公園を見ながら進むと前方にマラケシュのシンボル
クトゥービヤ・モスクミナレット(高さ77m)が見えてくる。この塔は後にスペインのセビーリャに建設されたヒラルダの塔のモデルとなったそうだ。

フナ広場入口には観光客用の馬車が客待ちをしている。広場にはすでに多くの人が集まっている。あちこちに人垣が出来てヘビ(コブラ)使いや猿使い、曲芸などの
大道芸人がパフォーマンスをしている。ジュースの屋台が並び、民族衣装を着て水を売る人もいる。夜になると食べ物の屋台が並び遅くまで賑わう。

この広場は昔からアフリカやヨーロッパ、イスラム世界との交易の中心として栄えたところで、こんな賑わいが昔から毎日続いているだ。

クトゥビーヤ・モスク ジャマ・エル・フナ広場

迷路のように道が入り組むメディナスーク(市場)へ入っていく。迷い子にならないように観光客で混み合うメーン道路を歩く。衣類や革製品、絨毯、金細工、香辛料、日用品などのスークが続く。

夕方近く雲行きが怪しくなり雨が降り始め雷も鳴り出した。スークに雨宿りする人が多く開きだした屋台にはなかなかお客も行きづらい。雷雨はやまず大道芸人たちもしばし店じまいのようだ。

今日はフナ広場を満喫するのは諦めて早めにホテルへ帰る。

メディナの中にあるスーク 何軒も並ぶフナ広場の屋台

・3月21日(土) 旧市街観光とファンタジアショー

ホテルで今夜のファンタジアショーの予約をして、王宮などがある旧市街の史跡地区へ。タクシーでマラケシュで最も美しい門のひとつとされる
アグノウ門まで行く。スルタンが宮殿に行くために使った門と言われ、死刑になった罪人の首をさらす場所でもあったとか・・・。

アグノウ門 アル・マンスール・モスク

ここからメディナの中に入り進んでいくと美しいアル・マンスールモスクが見えてくる。その横の狭い通路を入りサアード朝の墳墓群へ。16〜17世紀にかけてサアード朝代々のスルタンやその家族達が葬られている大墳墓群。

中でも黄金王アフメド・アル・マンスールの墓はモザイクタイルや大理石で美しく装飾されている。ここは周囲が壁で囲んであるため1917年に初めて空から発見されたそうです。

サアード朝の墳墓群 アルメド・アル・マンスールの墓

スペインのアルハンブラ宮殿を模して作られたバイヤ宮殿へ。今も国王が時々宿泊されるというこの宮殿、広い庭に囲まれ中庭や石の回廊の周囲には4人のお妃や女達が住んでいた部屋があり美しい彫刻や装飾が施されている。

バイヤ宮殿の回廊 部屋には美しい装飾が

再びフナ広場へ。ヘビ使いがコブラを操っているがさすがに気持ちが悪い。今日もメディナの中にあるスークへ行くが昨日とは違う道を進んでいくうちにとうとう道に迷ってしまう。

同じ道から抜け出せないでいると小学生ぐらいの男の子が案内してくれるというのでついていく。結構回り道をして目的地まで連れて行ってくれたが結局最後にはお金を要求してくる。20DHと言われたが5DH渡す。どうも子供たちもグループでお金稼ぎをしているようだ。

迷路のようなメディナ メディナにあるスーク

マラケシュ最後の夜はファンタジアショーへ。夜8時にホテルでピックアップしてもらいマラケシュの郊外へ。ファンタジアとはモロッコ各地に伝わるお祭りで武器を持った騎馬兵達が歴史上の戦いを再現するショーだ。ディナー付でアクロバットショーや民族の踊りも楽しめる。

ディナーのテーブルで一緒になったのはイギリス人の親子、イギリスでは明日が母の日で親孝行の旅だそうだ。

お母さんはロンドンで娘さんはスペインのバルセロナに住んでいるとのこと。なぜバルセロナに?と聞くとイギリスは太陽が少ないからと言っていた。気さくなお二人で我々もリラックスすることが出来た。

民族衣装で迎えてくれる 同席したイギリス人親子

食事はモロッコ料理。その合間に民族衣装をまとった人達の踊りが回ってくる。最後は野外に出ていよいよメーンイベントのショー。馬の曲乗りやベリーダンスそして騎馬兵士による戦闘シーンは見ごたえがありました。今日はとてもいい天気で昨夜でなくて本当に良かった。

モロッコ料理 最後はダイナミックな戦闘シーン

ホテルへ帰ったのはもう12時でした。いよいよ明日はフェズへ移動です。