・5月17日  フランダースの犬のアントワープからブリュッセルへ

B&Bのカルロスさんと今後もメールのやり取りを続けることを約束して次の国ベルギーに向う。

駅で列車を待っていると、隣にいた老夫婦が私のバッグを指差してにこにこしている。どうやらバッグに貼っている「イリノイファイティング」のマークを見ているようだ。昨年アメリカで子供達と一緒にイリノイ大学のアメリカンフットボールを観戦したと説明すると、ミシガンから来たという老夫婦は笑ってうなずいていた。

途中で日本人の老夫婦が駅員に教えられながら小走りに乗ってこられた。隣に座られたたのでアントワープまで話しながら行く。京都の方でアントワープ近郊の工場で働く娘さん夫婦を訪ね旅行を楽しんでいるとのことである。

「子供の人生に色々口を出すよりも子供の人生を自分も一緒に楽しまないと損だ。そうしないとこれまで苦労して育てた甲斐がない」と言われたのが印象的だった。

アントワープに着くと真っ直ぐノートルダム大聖堂へ。子供達が小さい頃に何回も一緒に見たアニメ、ネロとパトラッシュの物語フランダースの犬の舞台となったところだ。ネロ少年が死ぬ前にどうしても見たかったルーベンスの絵を見ると昔を思い出し感慨無量であった。

ノートルダム大聖堂 ネロ少年が見たかったルーベンスの絵

この物語は日本からの問合せが相次ぐ中でこちらでも知られるようになったそうで、その結末があまりにもかわいそうだと非難も出たそうである。隣にはネロとパトラッシュのモニュメントが作られていた。

歴史を感じる
アントワープ市庁舎を見て駅へ歩く。途中で食べたワッフルの美味しかったこと。ここはまたベルギーダイヤモンドで有名な町でもあり駅前には多くの専門店が軒を連ねていた。

アントワープ市庁舎 アントワープ駅

再び列車でアントワープからベルギーの首都ブリュッセルへ。中央駅の地下に列車は到着する。エスカレーターに乗って1階へ向う途中いきなり男性が後ろからかぶさるように接触してきた。その後ろの男性からすり?だから注意するように言われる。

一瞬ドキッとしたが幸いズボンの後ろのポケットには何も入れていなかったので大丈夫だったが確かに何か不自然だった。

駅から石畳の道を歩いて10分のところに広場グラン・プラスがある。市の中心となる広場で周囲を17世紀に建造された華麗な建築が取り囲み、ブリュッセルの観光の拠点となっている。いつも花市やイベントが行われており多くの観光客で賑わっている。

まるで中世の時代に戻ったようだ。今日のホテルはその一角に立つブラバン公の館の中にあり、唯一広場に面したホテルだ。

市庁舎左とギルドハウス ブラバン公の館

ヨーロッパ最古のショッピング・アーケードのガルリ・サンテュベールを見学する。ガラスのドーム天井からは明かりが指しこんできれいだ。これが1847年に作られたとは信じられない。

ブリュッセルのマスコット小便小僧の像を見学する。17世紀の始めに作られたもので、あちこちで見る像のオリジナルらしい。大勢の人が記念写真を撮っている。

フランスのルイ15世の兵士が像を盗んだことで、王がその謝罪として豪華な服を送ったことから、それ以降各国から衣装が送られており、王の家の博物館に展示されていた。

ガルリ・サンチュベール 小便小僧

夕食はベルギー名物の海鮮料理にしようと店頭にあるメニューの写真を見て小さな店に入る。注文すると隣のレストランへ案内される。

早口でしゃべるウェイターにこちらは同じものを注文したつもりだったが出てきた料理はやや豪華、なんと請求書を見ると約100ユーロ、高い!そんなの注文していないと言ってもそこまで交渉する語学力もなくシブシブ支払う。

駅でのスリの件と言い少し気が緩みかけている警告だと2人で理論付けをし、豪華な夕食もした事だしと自分を納得させた。あの時もう一度メニューを見て確認すべきだった。中途半端はいかんぞ!

夜はグラン・プラスの建物が見事にライトアップされるのを見る事にするが、何せ暗くなるのが10時過ぎのため一旦部屋へ帰り出直す。雨模様の中を集まった多くの観光客と一緒にライトアップと光のショーを楽しんだ。

ライトアップされた市庁舎

・5月18日  ブリュッセル市内観光

朝から中央駅へ行き明日ドイツのケルンまで行く高速列車タリスの指定券を買う。それからグランプラスのカフェで朝食をとり市内観光に出かける。

中央駅から
ダブルデッカーの観光バスに乗る。このバスは市内の主な観光ポイントを定期的に周遊しどこでも一旦下車が出来るので大変便利である。また日本語で案内を聴くことも出来る。子供達の団体が一緒ですぐ満員になった。この季節修学旅行の子供達を多く見かける。

ダブルデッカーの観光バス 万国博のモニュメント

現在の王の結婚式が行われた聖ミッセル大聖堂を見ながら1935と1958年に万国博が行われた公園へ。鉄の分子構造を1650倍化した当時の大モニュメントが目立っている。

王家の居住用として使われている
ラーケン宮の敷地にはパリ博後ここに移設された日本の五重?の塔が見えている。

ヨーロッパ政治の中心地
EUの本部ビル、独立50周年を記念して作られた凱旋門を見て
王宮前で一旦下車。

EU本部 凱旋門

王宮はフランスのベルサイユ宮殿を思わせる造りになっている。王立古典美術館を見学し、最後にホテルのすぐ前にある王の家博物館へ。小便小僧に日本など各国から送られた衣装が展示されている。

王宮 王の家博物館

明日はいよいよドイツへ向かう。