・5月19日 ブリュッセルからケルン経由でベルリンへ
今日は長時間の列車の旅になる。ブリュッセルからドイツケルンまではフランスの高速列車タリスで約3時間30分、ケルンからドイツ新幹線に乗換え約4時間30分の行程である。
ホームにワインレッドのスマートな車体が入ってきた。パリ発ケルン行きだ。ここからパリまでは2時間足らずで行けるので行ってみたい気がした。8:28分列車は静かに動き出すゆれも少なく静かだ。
フランスの高速列車タリス |
田園風景が続く。雨が降り始めた。ケルン中央駅に到着、ここは古い歴史を誇る文化都市で、ドイツの西の玄関口であり、ライン川クルーズの終点の町でもある。世界遺産に指定されているケルン大聖堂を見学する予定だ。
コインロッカーには面食らう。今までとは型が全く違う、出入口は1つで立体駐車場みたいな形式になっている。多くの観光客が苦労しているようで、お互いに人がしているのを見て研究しうまく行った人は教えてくれる。
駅を出ると雨の中に高さ157mの巨大な大聖堂が現れその大きさには圧倒される。13世紀半ばから約600年かけて作られたゴシック建築の寺院である。色鮮やかなステンドグラスが美しい。
世界遺産ケルン大聖堂 | 雨のケルン大聖堂 |
しばらく散策し13:51発ドイツ新幹線ICEでベルリンへ向う。1等席はゆったりしており、パソコンで仕事をする人、ワインのボトルを飲んでいる人。この人ベルリンまでにボトル2本も飲んでしまった。
検札にきた車掌が今度はウェイトレスに変身し飲み物の勧誘に来る。2役で忙しそうだ。到着時刻を過ぎてもベルリンの町が見えてこないで畑の中を走っている。こうなるとすぐ乗り間違えたのではと心配になってくる。車掌の所へ行って聞くと列車は遅れているとのことで安心する。
ドイツは緑が多く、ベルリンに入っても続き、大都市がそこにあるなんてとても信じられない。日本ももっともっと緑を大切にしなければと痛感した。ベルリン・ツォーZoo駅へ20分遅れで到着。
ベルリン・ツォー駅に到着 | 駅構内で夕食 |
ベルリン動物園がすぐ前にある。駅で夕食を済ませてペンション・アレクサンドラへ。インターホンで玄関の鍵を空けてもらい、怖くなるような年代もののエレベーターで3階のフロントへ。
明るいお姉さんが向えてくれた。部屋はその上階にあり入り口にも鍵がついている。部屋はきれいで落ち着いた雰囲気だった。
・5月20日 ベルリン市内観光
朝食はレストランで済ませ市内観光へ。東西ドイツ統一後再びドイツの首都となったベルリン、日本語ガイドテープつきの2階建ての周遊バスで観光に出発する。ベルリン駅前に先ず廃墟のカイザー・ヴィルヘルム教会の大きな姿が見えてこく。ここは戦争の悲惨さを伝えるため広島の原爆ドームのように崩れたままの姿で残されている。
レストランのお姉さんと | カイザー・ヴィルヘル教会 |
ベルリン大聖堂を見て、統一ドイツの象徴ブランデンブルグ門へ。17世紀の終わりにアテネの神殿を手本に作られたこの門、ベルリンの壁があった時代はケネディとフルシチョフが東西ドイツをお互いに高台の上から眺めるなど自由に通る事は出来なかった。
ベルリン大聖堂 | ブランデンブルグ門 |
1989年突然壁が破られ東西ドイツが統一された。ブランデンブルグ門の上にある勝利の女神と馬車の像はナポレオンがパリへ持ち帰ったが後に返還されたそうだ。 すぐ隣にはドイツ連邦議会議事堂の重厚な姿がみえる。遠くに建設中の新ベルリン駅も見えている。
ドイツ連邦議会議事堂 | 建設中の新ベルリン駅 |
フリードリッヒ1世が妻のために建てた離宮シャルロッテンブルグ宮殿とユダヤ博物館を見学する。
新しく大使館街が作られており、最近建築された菊の紋章が目立つ日本大使館を横に見て、開発が進められている新名所ポッダム広場へ。世界の有名建築家が設計したと言う近代的なビルが並んでいる。
劇場やショッピング街が集中しており、特に富士山をイメージした屋根を持つソニーセンタービルがある広場には多くの人が集まっていた。
シャルロッテンブルグ宮殿 | ポッダム広場のソニーセンタービル |
この辺はベルリンの壁があった場所で、少し歩くとその一部が残されている。その裏のナチス・ゲシュタポ本部があった場所には当時の悲惨な状況がパネルで展示してあった。また道路には東西ドイツ通行の検問所後もある。
検問所後 | ベルリンの壁上とゲシュタポ本部後 |
バスは旧東ドイツエリアに入り赤の市庁舎やテレビ塔そして戦勝記念塔ギーゲスゾイレなどを見て出発したところへ戻る。。
旧東ドイツ側の市庁舎とテレビ塔 | 戦勝記念塔ジーゲスゾイレ |
・5月21日 ポッダム会議の町ポッダムへ
列車でポッダムへ。観光客も多く乗せ約20分で到着する。バスでサンスーシー宮殿へ。乗車時に運転手から切符を買おうとすると中の自動券売機で買えと言う。分からずに苦労していると運転手が心配して来てくれた。
フリードリッヒ大王が夏の居城として建てた優雅な宮殿と階段式の庭園が素晴らしい。人嫌いで犬しか信用しなかった大王は愛する犬たちと一緒に宮殿の一角に眠っているそうだ。
サンスーシー宮殿 | サンスーシー宮殿 |
次に日本にとっても重大なポッダム会議の舞台となったツェツィーリエンホーフ宮殿へ行く。宮殿と言うよりは館と言う感じの建物だ。第2次世界大戦末期に米、英、ソ連の首脳会議が開かれた場所だ。見学ツアーに参加、日本人には日本語の説明書を貸してくれる。
全体会議室や各国の控え室などが当時のまま保存されている。チャーチル、ルーズベルト、スターリンが一同に会した場所には当時の写真が飾られていた。ここで日本を無条件降伏させることが話し合われたのだと思うと複雑な気持ちだった。
ツェツィーリエンホーフ宮殿正面 | 宮殿裏 |
帰りのバスの自動券売機で切符を買おうとするとコインが落ちて入らない。これまた何回もしていると横の席の叔母さんがとうとう自分の財布からコインを出して買ってくれた。もちろんお金は返して何回もお礼を言う。
ベルリンへ戻り、主な観光ルートを走る100番のバスに乗りもう1度ベルリンの町を見学する。ポッダム広場でおりてショッピングセンターへ。ここで夕食を済ませてホテルへ帰る。明日の出発が早いので支払を済ませる。